人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている 世の中を正しく認識せよ

皆さん、きちんと周りに自分を宣伝してますか?

「人生は、運よりも実力よりも『勘違いさせる力』で決まっている」というなかなか挑発的なタイトルの本を読みました。本書はまさにタイトルの通りの主張を人間の認知バイアスを根拠に展開し、それを踏まえた上でどのように生きていけばいいのかを説明しています。登場人物の会話形式でイラストも多く、とても読みやすい本でした。

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

 

世の中実力主義になんてなってない

世の中実力主義なんてなってない。この一言を聞いてどう感じるでしょうか?なんて事を言うんだとネガティブな感情を抱くのか、「いや、当たり前でしょ」と特に何とも思わないか。

そもそも、世の中実力主義だなんて思想はどこから生まれたのでしょうか?確かに実力があれば成功確率は高まることは間違いないですが、実力を過剰に重視している人は多いと思います。特に僕のような内向的な人間には。

自分をアピールする事が苦手な人間は、そのことを正当化するために「こつこつ頑張っていればいつか自然と報われる」という考えになりがちです。こつこつ頑張る事が駄目という主張ではありません。さらにそれにプラスして周囲に認知させる事も重要なのではないでしょうか。

 

錯覚資産とは?

皆さんはハロー効果という言葉をご存知でしょうか?本書で最も最初に取り上げられる認知バイアスです。wikipediaから引用してみます。

ハロー効果(ハローこうか、英語halo effect)とは社会心理学の用語で、ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のこと。

ハロー効果 - Wikipedia

人間は複雑な世の中をモデル化せずには認識することが出来ません。完全に物事を理解した上で判断できない以上、悪くいえば大雑把な判断をする事しかできません。しかし、その結果様々な認知バイアスがかかり、歪んだ判断になってしまうわけです。

本書では他人が自分に対して認知バイアスのかかった判断をする時に、自分にとってプラスな効果を生む部分を錯覚資産と定義しています。まっさらな自分に対して過剰なプラスの評価を資産として扱うのは、とてもポジティブで面白い考え方だと思います。

本書ではこの錯覚資産をうまく利用して、自分を大きく大きく見せるよう生きていきましょうと主張しています。その結果周囲の環境が変わり、本当に自分が大きくなるわけです。

 

錯覚資産を大きくするには?

まず世の中は運ゲーであるという認識を持つことが大事です。実力よりも運の方がウェイトが大きいです。そんな世の中でうまくいくには、とにかく打席に立つ回数を増やすことが大切です。サイコロを念じて丁寧に転がす暇があったらとにかくたくさん転がせということです。

そして何かが上手くいったらそれを人に分かりやすく主張し、自分を印象付けます。本当に大したことが無くても相手にはそれより大きく思われるわけです。そしてまた大きな仕事を見つけ、さらに大きい錯覚を手に入れます。こうやって錯覚資産を福利で回せばいいわけです。僕の周りの上手く行ってる人、みんなこうです。

僕自身のことですが、僕は自分が思っているよりも凄いと評価される事がよくあります。人によってはうらやましく思われるかもしれませんが、これは必ずしも良い状況ではありません。

要するに、他人に自分を評価する負担を強いているわけです。そうではなく、自分の価値を客観的に分析して、そこにさらにプラスアルファの事を盛り込み相手に錯覚させます。相手に冷静な判断なんて負担を強いてはいけないわけです。酔わせて誤った判断をさせ、最後に自分が現実をすり合わせてしまえば万事OKというわけですね。

 

自分が引っかからないためには

他人が自分に抱く印象は認知バイアスで大きく見せることが大事ですが、自分が判断するときは認知バイアスに引っかからないことが大切です。

本書では色んな認知バイアスが説明されていますが、最後に上手いことまとめてくれています。これらに認知バイアスは「人間は過剰に一貫性を求める」「人間は過剰に原因を求める」「人間は過剰に結果を急ぐ」という脳の仕組みによるものだというのです。この3点にさえ気をつけておけばいいですね。

 

まとめ

  • 内向的な人間はもっと自分を大きく見せろ
  • 錯覚資産を福利で回せ
  • 自分の人生の判断は「一貫性」「原因」「結果」を過剰に求めないように